『Lost』03. 恋人を射ち堕とした日

恋人を射ち堕とした日

 

 

'二番目の記憶'

 

弓がしなり弾けた焔　夜空を凍らせて

凛と蒼く別離[わかれ]の詩を　恋人[あなた]を射ち堕とす…

ゆみがしなりはじけたほのお　よぞらをこおらせて

りんとあおくわかれのうたを　あなたをうちおとす…

 

遠い日の忘れ物　引き裂かれた傷痕

呪われし約束をその胸に宿して

とおいひのわすれもの　びきさかれたきずあと

のろわれしやくそくをそのむねにやどして

 

「避けられぬ終焉は　せめて愛しいその手で…」

抗えぬ衝動の闇が彼を包んだ…

「さけられぬしゅうえんは　せめていとしいそのてで…」

あらがえぬしょうどうのやみがかれをつつんだ…

 

歪む世界螺旋の焔　輪廻を貫いて

凛と緋く血塗れくさづけ　恋人[あなた]を恋人を射ち堕とす…

ゆがむせかいらせんのほのお　りんねをつらぬいて

りんとあかくちぬれくちずけあなたをうちおとす…

 

「忘れモノは在りマセンカ…」

 

古の伝説　その魔物に傷を負わされた者は

呪いが全身を駈け廻り

やがては同じ魔物に成り果てるだろう…

いにしえのでんせつ　そのまものにきずをおわされたものは

のろいがぜんしんをかけめぐり

やがてはおなじまものになりはてるだろ…

 

その傷を負ったのは…

 

それは二人が出会ったあの日まで遡る

それはふたりがであったあのひまでさかのぼる

彼が彼女を助けた時に傷

全ては出会った時から始まっていた…

 

出会いは喪失への約束…

 

枯れ果てた涙は　哀しみの蒼い焔を宿し

銀色に輝く矢を放つ

何度でも　唯...彼が息絶えるまで…

かれはてたなみだはかなしみのあおいほのおをやどし

ぎんいろにかがやくやをはなつ

なんどでも　ただ…かれがいきたえるまで…

 

Lost

 

愛する人を失った世界には

どんな色の花が咲くだろう？

 

月を抱いた十字の焔　茨を捲きつけて

つきをだいたじゅうじのほのお　いばらをまきつけて

凛と白く最期の弓矢[アロー]　私を射ち堕とす…

 

（愛する人を失った世界にはどんな色の花が咲く）*8